通所型のナイトケアの仕事

在宅介護中の要介護者が、昼間だけ通所して介護サービスを受けるのがデイサービスだ。これに対して、夜だけ特別養護老人ホームなどの介護施設で介護サービスを行ってもらったり、夜間に自宅に来てもらい介護サービスを受けられるのがナイトケアである。

中でも介護施設で介護サービスを受けるナイトケアを通所型という。この場合、デイサービスとほとんどサービス内容が変わらない。食事や入浴などの身体介護のほか、リハビリやレクリエーションなど様々なサービスを利用者は受けられる。したがって、ナイトケアに関わるスタッフには、身体介護ができる介護福祉士など介護の有資格者のほか、機能回復訓練に携わる作業療法士や利用者の相談に乗るカウンセラーなどがいる。実際には、寝たきりでつきっきりの看病が必要な高齢者や、夜間に徘徊するなどの問題を抱える認知症患者を一時的に引き受け、家族の負担を軽減する役割を果たすことが多いと言えるだろう。

また、精神的サポートが必要な状態でありながら、日中は作業所などで仕事をしていて昼間は支援を受けられない人もナイトケアの対象だ。この場合、精神疾患を抱えていたり、抑うつ状態に陥っていたりするケースが多いのだが、既に薬物療法を終えてリハビリ段階に入った利用者が大半となるだろう。このような利用者に対しては、身体介護よりも、利用者の心理的負担を減らし、社会復帰を目指して意欲を高めるよう精神面でのサポートを行うことが重要である。そのためには、カウンセラーによるカウンセリングに加えて、介護職員も利用者が不安を克服し自信を持てるよう円滑なコミュニケーションを図る努力を続けなければならない。